4月30日より”Warships Spring Campionship”(WSC)という大会が行われております。これは定期的に行われている世界規模の大会”King of the Sea”(KotS)が情勢の関係で一部地域のプレイヤーの参加が難しいことから代替として開かれているものです。
大会でのプレイングやタクティクスは参考になるものが多く、普段のランダム戦やクラン戦で役に立つ物が詰まっています。それを是非盗みましょうというのが今回の記事の趣旨となります。
配信されているものに限定し、個人的に試合内容が良かったと感じたものを紹介&タクティクス考察をしたいと思います。出場チームから直接文句が来たらやめるつもりです。
今回は予選の[+1S]vs[FROST]を取り上げさせて頂きます。アーカイブはこちらから。是非アーカイブと合わせてお読みください。
マップと編成
クラッシュゾーンαのトーナメント制圧戦。北側スポーン(Alphaスポーン)が[+1S]、南側スポーン(Bravoスポーン)が[FROST]となる。
序盤~Bでの衝突~
[+1S]の狙い考察
Bの島裏にZ-52を着地させることでBの占領を狙う。直掩としてラグナルを配置することで島裏での踏み合いを阻止すると共にZ-52が撃たれる射線の艦艇(ここではデルニー)を妨害する。
Aはモスクヴァ&クレムリンで最低限のラインキープを目的とし、Cはギアリング+ネフスキーの煙幕レーダーでじわじわと上げる構え。
Cは確実に押し込みつつBをキープしたい。
[FROST]の狙い考察
Bの島裏にマイノーターを着地させることでBの占領を狙う(この時点で99.9%レーダーマイノーターであることが分かる)。そのために島風の煙幕で見つからないよう援護する。また、直掩としてデルニーを配置し島裏の艦艇を撃てるようにする。
Cはナポリ単独でごまかしつつ、Aにギアリング+デモイン・ネフスキー+クレムリンを投入して確実に取り切る構え。
Aは確実に制圧しBをキープしたい。
お互いのチームが確実に制圧したいと考えていた方面には多くの艦艇を割いておらず肩透かしになった一方で、初動で確保したいと考えていたBで衝突する形となりました。
Z-52、マイノーターと艦艇こそ違うものの考えていたことはほぼ同じでした。Bの島裏を使って占領キープを狙いつつポイントで有利を取りたいものと考えられます。
こうなると次は互いに”どうやってBの島裏を攻略するか”ということになります。Z-52はマイノーターよりもHPが少なくレーダー&水中聴音による長時間の被発見で動きにくい一方で、マイノーターは少しでも射線が通ってしまうとAP弾による一撃死のリスクがあって動きにくくなっております。
中盤①~Bへ急げ~
互いのチームが順当に押し込みつつBをどう攻略するかを考えながら動く場面です。
[+1S]の狙い考察
クレムリンの射線を残すことでマイノーターを島裏に固定させ、スタグラやオハイオで撃沈したい。Cは外周から順当にラインを上げてオハイオを安全に動かしたい。
[FROST]の狙い考察
クレムリンをマイノーターの位置に差し込むことで敵のラインを下げつつB島裏でのマイノ―ターが撃沈されないようにしたい。スタグラがいるとBが取れないため撃沈したい。
互いに確実に制圧したい方面に敵艦がおらず肩透かしを食らったため、どれだけ早くBに影響力を出せるように動けるかがキモでした。[+1S]はCに敵がいないと分かった時点でB上の位置へスタグラを差し込み、[FROST]も敵がいないと分かるとクレムリンをBへ向かわせました。
初動でなんとかBを占領出来た[+1S]は敵の駆逐艦に踏み切られないようレーダーを使いつつ防衛したい一方で、[FROST]は脅威であるスタグラやクレムリンを下げることでB占領を確実にしたい。ここのやり取りで勝負が決まるような場面です。
そんな場面で[FROST]のデルニーが[+1S]のスタグラに放った魚雷が付近を通過中のラグナルにあたり撃沈となりました。これにより[FROST]側がB占領に向けて一歩有利になりました。
[+1S]のラグナルが撃沈されてから程なくして画像のような配置となりました。[FROST]はギアリングで占領しようとした場面でZ-52と接敵。マイノーターが援護しようとレーダーを使って射線を通したところを[+1S]のオハイオに撃沈されました。
ラグナル撃沈で[FROST]が有利を取っていた束の間の出来事でした。マイノーターは装甲が実質無いようなもののため、いつでも撃沈される可能性がある点で扱いの難しい艦艇であることが良く分かります。
ポイントは580vs530と、初動でB占領出来ていた[+1S]の微有利ですがまだまだ分からない場面です。
中盤②~Bはどちらの手に~
[+1S]の狙い考察
とにかく撃沈して数の有利を作りたい。HPの減っているクレムリンやデルニーをフォーカスして撃沈したい。
[FROST]の狙い考察
スタグラさえ落としてしまえばギアリングの煙幕で火力も出せるし位置取りもしやすくなるため撃沈したい。
このあたりからタクティクスというより連携や個々人のスキルが出る場面となります。やりたい行動に対してチーム内で意思疎通を取って行動できているか・主砲や魚雷をしっかり当ててダメージが出せているか・どこまで無理する必要があるかの判断など。
最終的に[+1S]のモスクヴァとスタグラが撃沈される形となりましたが、[FROST]もデルニーとクレムリンが瀕死とかなりギリギリの戦いであったことが伺えます。
ポイントは580vs710で2エリア確保している[FROST]が有利を取り、試合はいよいよ終盤へ。
終盤
[+1S]のスタグラとモスクヴァが撃沈されたことで[FROST]のデモインとネフスキーの煙幕射撃が成立し[+1S]のクレムリンが撃沈。[FROST]は[+1S]の残った艦艇を囲うように展開できるようになりました。
[+1S]もギアリングの魚雷やネフスキーとオハイオの火力で[FROST]のナポリやモンタナを撃沈まで持っていく粘りを見せたものの最後は1,000ポイント到達で[FROST]の勝利となりました。
勝負の決め手は?
かなり競った試合で魚雷事故以外に目立ったミスもありませんでしたが、[FROST]のデルニーとクレムリンが修理班を使い切って生存できたことは大きかったと思います。