びーびーの記録

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【WoWS】クラン戦振り返り~シーズン17:カイマン~

今シーズンもクラン戦お疲れさまでした。クラン[JC]では3シーズン連続ハリケーン到達とはなりませんでしたが、タイフーン30勝達成者は7名とまずまずでした。

 

前2回と比べ本レートの戦闘数が50戦以上少ない


さて、今回は初めての超艦艇導入シーズンでした。正式実装されて間もない超艦艇の導入に困惑したクランも多かったのではないでしょうか。Ter10のクラン戦に事実上のTier11である超艦艇が投入されたことでどういった艦艇が活躍するようになったのか。また、環境はどのように変化したのか⁉

 

というわけで編成や艦艇の考察を中心に振り返っていこうと思います。

 

 

今シーズンの特徴

  • 空母無し、戦艦は1隻まで
  • 超艦艇は2隻まで使用可能
  • ペトロパブロフスク並びにクレベールの使用禁止
  • アーリーアクセス艦艇の使用は可
  • マップ数が6個(開催直前にギリシャが取り除かれた)

 

空母は相変わらずおあずけです。前シーズンと違い同艦艇1隻制限が撤廃された形で始まった一方で、ペトロパブロフスクとクレベールの使用禁止が明言されておりました。この2隻はKotSでも禁止されてきた経緯を持っているため妥当と言えます。

 

 

今回で追加された艦艇

  • レゴロ(正式実装)
  • マルセイユ(アーリーアクセス)
  • メクレンブルグ
  • 超艦艇(空母を除く)

 

超艦艇が必須級であることを考えると参加のハードルはかなり高かったと思います。導入に4,000万以上のクレジットが必要で運用するのにも少なくないクレジットがかかる大食らいをポンと用意できるかと言われれば”No”でしょう。

 

超艦艇のインパクトが強かったせいか他のTier10追加艦艇は影が薄かったです。

 

 

使用された編成と艦艇考察

 

制限変更前まで、初めての超艦艇導入ということで今シーズンは試験的に統計を取っておりました。週ごとにまとめ、その傾向を分析していました。

 

簡単にまとめると「超艦艇はコンデとゾルキーが人気」「高まるナポリ人気」「メタとして復権したユエヤン」って感じです。詳しくは記事を追ってみてください。

 

この頃普遍的に人気だった編成は以下の編成です。

クレムリン/コンデ/ナポリ/ナポリ/モスクワ/ゾルキー/スモランド

 

強い艦艇並べましたみたいな編成ですね、強い艦艇を使えば強い編成になるといった頭の悪さを感じです。

 

次に、なぜ強かったのかを含め各艦艇の解説と個人的な考察を書いていきます。

 

戦艦(クレムリン)

以前より砲駆が台頭した影響でどんどん動き辛くなった艦種です。戦艦が弱くなったのではなく駆逐艦(砲駆)が強くなりすぎてしまった。バイタルのない相手から一方的に火災や浸水による災害コンボを決められる存在となってしまいました。

 

外周巡洋艦が撃沈されづらくなったことでフォーカスが集中しやすくなったのも動き辛くなった要因と考えられます。戦艦の突破力は必要不可欠ではあるものの、戦艦を押し出してから云々という戦法は厳しくなってしまった印象です。

 

ナポリ

隠蔽の良さ・装甲の固さ・攻防一体の排気煙幕で高度な「撃沈されない」を実現した押し引きのプロフェッショナルです。接近戦に強い副砲と魚雷を携え、撃沈されない強みを押し出した強気な位置取りが非常に厄介な艦艇となります。一方で砲火力は並以下で、ラインを維持しての砲撃戦ではあまり影響力が出せません。攻撃力は高くないものの圧倒的防御力のおかげで差し引き撃ち合い有利になったりすることもあるバケモノ艦艇です。

 

隠蔽の良さと副砲によってゾルキーやスモランドなど駆逐艦との撃ち合いでは無類の強さを発揮し、コンデとの撃ち合いでも60㎜装甲のおかげでHEが通りづらく1対1では副砲圏に引き込むことで有利が取れます。水中聴音とレーダーが無いことを除けば非常に有能な艦艇です。

 

モスクワ

12㎞レーダーのなかで最も耐久性に優れた巡洋艦で火力もそこそこ高いです。適切な位置取りができれば火力も出せてレーダーで防衛も出来る器用万能艦艇となりますが、そういった場所は対策されやすいためなかなかうまくいかない印象です。一度位置に着いてしまうと動き辛いのもネックポイント。戦線の構築にはいた方が絶対楽だがそれゆえに動きの幅が狭く頭を悩ませられる苦労艦の印象です。

 

スモランド

販売停止になってなお環境に居座り続けるガン。こいつがいるとほとんどの場合で「それってスモランドで良くね?」と言われ選択の幅が狭まるのに何故か制限されない。しかし制限されると戦術立てるのが面倒なので居てほしいという気持ちもある、そんな必要悪チックな艦艇です。

 

これまではレーダーも修理班もある拠点戦最強の一角でしたがゾルキーによって肩身が狭くなりました。撃ち合いでは装甲や弾道の関係でそもそも不利(ハバロやデルニーなどソ連駆逐艦とは積極的に戦いたくはない)であり、バースト射撃という瞬間火力によって1回の会敵でHPが簡単に減らされる状況が増え今までのような活躍は難しくなってしまいました。ゾルキーがいない場面では依然として強いですがかなり戦い辛くなった艦艇かと思います。

 

コンデ

超艦艇の英訳はsupershipです。スーパーな艦艇が弱いわけないですね、バケモノです。

 

ナポリを防御極振りとすればこちらは攻撃極振りと言えます。高い火災発生率に高貫通力のAP、何故か散布界が低減するバースト射撃に装填ブースターとメイン火力に恥じない性能です。耐久面もTier11相応で、エンジンブーストによる加減速も相まって狙って撃沈するのは厳しいです。

 

ナポリのように敵艦に艦首を向けて突撃できるほどぶっ飛んではいませんが既存の外周の撃ち合いではトップクラスの性能であることは間違いなく、超艦艇の名に恥じない1隻という印象です。

 

ゾルキー

砲駆の超艦艇です。VPのない軽巡洋艦とよく形容されますがまさしくその通りで、隠蔽が良い分駆逐艦に弾を当てやすく戦艦にローリスクで攻撃ができます。HPもTier11相応にあり修理班も搭載していることから撃沈しきるのはなかなか難しいです。

 

対駆逐・対戦艦の援護という枠では無類の強さを発揮しますが、ナポリやコンデといった強力な巡洋艦相手では駆逐艦相応のふるまいになりがちです。例外は火災の長い大型巡洋艦でしょうか。メイン火力として十分ではあるものの対巡洋艦の処理に少し手間取る印象です。

 

 

制限変更の内容とその後

クラン戦も終盤の時期に、開発者ブログにて以下の告知がされました。

 

6/29から制限変更します
ペトロは1隻まで、クレベールは2隻まで使用可能となります
一方で、コンデとナポリには1隻までの制限を加えます

 

この変更が発表される直前は大量のナポリが台頭しており、最低でも3隻はいるみたいな状況がザラでした。ヴェネチアじゃんけんの再来、今度はナポリじゃんけんだ!という状況にクラン内では「これならそろそろペトロ1隻くらい返してくれてもいいだろ~」とか言っていたのですが……気付いたら現実になってました。

 

ペトロはナーフによって装甲が40㎜となったためコンデやナポリに対する防御面での優位が下がっており、1vs1の撃ち合いでは引き撃ちで主砲を破壊する以外の勝ち筋がなくなってしまっております。モスクワよりも動きやすい12㎞レーダーという意味では便利ですが以前ほどの耐久力は発揮できません。それでもナポリコンデが抜けた穴を埋められる程度の影響力はあるため積極的な採用が考えられます。

 

クレベールについては採用するか悩む部分があります。砲駆としての火力は十分にありますがさすがにゾルキーには敵わないです。超艦艇の枠を潰さない程度の砲駆枠としての採用が妥当な所でしょうか。裏をかいて固有クレベールで魚雷を当てるという考え方もありますが安定性に欠けることを考えると微妙です。採用するかどうかは戦術次第といったところですね。

 

 

そんなこんなで基本の編成にも変化が見られました。

クレムリン/コンデ/ナポリ/ペトロ/スタグラ/ゾルキー/スモランド

クレムリン/コンデ/ナポリ/ペトロ/ゾルキー/スモランド/クレベール

 

これまた強い艦艇を並べれば強い理論ですね。駆逐を2隻にするか3隻にするかくらいの違いしかないかと思います。より前線での戦いに強くするか、ライン戦での砲火力勝負に強くするかってところです。

 

 

(参考)あまり使われなかったそれっぽい艦艇の考察や感想

 

アナポリス

初期こそ煙幕戦術によって拠点戦で強く出られていましたが、ナポリの台頭によって機動戦について行きづらい問題が露呈し使われなくなったものと思います。そもそもコンデとゾルキーが人気過ぎて使っているクランも少なかったような……。

 

単体で運用するクランもちらほら見かけましたが、弾道の関係で駆逐や巡洋にダメージを出すのが厳しそうな印象でした。モスクワや戦艦に火力を出せるので弱くはないのですがゾルキーと役割が被っており、レーダーについても10㎞では一部マップが厳しいため微妙だったと思います。

 

 

薩摩

直近で大和や敷島がクラン戦で活躍している場面は無かったかと思います。いくら超艦艇と言えど得手不得手があります。近中距離戦での弱さならびに装甲の弱さからくる耐久力の低さは現代の環境についていけません。20㎞以遠でナポリやコンデに毎斉射弾を当てられるなら話は変わってきますが、まずそんなことはないですね……。

 

 

ハノーファー

ナポリが増えると同時にちょこちょこ使われることが多かったです。外周のやり取りにおいてナポリ+コンデよりナポリ+ナポリの方が都合が良い場面が多く、余った超艦艇枠を戦艦に割り振ろうという意図での採用が多かったと考えられます。

 

昨今のクラン戦では総合的な耐久面の観点からクレムリンが使われますが、戦艦で仕掛けるならドイツ戦艦の選択は妥当であり、増えたHPや改善された射角が活きる場面はあったと思います。水中聴音が活きるマップもあったため、採用率ほど活躍しなかったかと言えばそんなこともなかったです。

 

 

山霧

ナポリを止めるために採用が検討された程度でしょうか。殆どのクランがユエヤンを採用したため、残念ながら出番はありませんでした。

 

今シーズンはレーダー巡洋艦が少なかったためいつもより強く隠蔽で出られ、また、水中聴音を持たないナポリに対して強力な魚雷を流せる強みがありました。しかしその役割を超艦艇の枠を使ってまでするかといえば微妙であり、また、魚雷という不確定な影響力というのも相まってゾルキーやコンデより優先度は低かったのだと思います。

 

 

マルソー

登場以降多くの競技シーンで活躍してきた艦艇ですが、デルニーの登場によってその影は徐々に薄くなってきています。デルニーと比較して弾道の悪さや修理班の有無が挙げられ、隠蔽や速力も決定的に違わない点から扱いやすさのデルニーに軍配が上がようになったものと考えられます。

 

スモランドやゾルキーなど修理班を持つ艦艇が蔓延る今シーズンにおいてマルソーは総合HPが足りないことが多く、採用を見送られたケースが多かったかと思います。弱くはないけど環境的に今は厳しいって感じです。速力はトップのため最速島裏張り付きなどの戦術を取る場合は枠があったと思います。

 

 

ラグナル

ゾルキー相手では25㎜装甲は役に立たず、魚雷が無いためナポリに対しての回答もゼロ。スモランドを持っていないのだなと勝手に察してしまいます。

 

レーダー駆逐を採用したいならユエヤンの方が良く、砲駆を採用したいならデルニーやハバロの方が100倍マシだと思います。評価が下がったのはだいたいゾルキーのせい。あとナポリ。

 

 

ヴェネチア

対駆逐最終兵器です。ゾルキー2隻編成などに圧力を掛けられる点は評価できますが、外周のやり取りにおいてナポリにある程度ラインを下げられてしまうため試合が進むほど影響力が下がってしまうのがネックだったかと思います。

 

良くも悪くも駆逐へのピンポイントなメタであり、持てる役割が少ない点も採用が少ない原因かと思います。駆逐に対する圧力を考えなければナポリの方が押し引き強いですしね。

 

 

戦艦(全般)

コンデやゾルキーといった高いHE火力を上手くかいくぐり前線へクロス射線を供給するのは困難を極めていたと思います。対ナポリではAPよりもHEやSAPの方が有効打が出やすいと考えてかコンカラーやコロンボなどが使われていたのも印象的です。回復や煙幕といった小技が光る艦艇だったというのもあるかもしれません。

 

 

[JC]でのクラン戦詳細~新しい試み~

新しい試みとして[JC]の今期クラン戦の経験を有料の記事として販売してみることにしました。内容としては初期から使用していた戦術・具体的なタクティクスの全公開・気になった編成や戦術といった構成で書かせてもらってます。

 

note.com

 

クラン戦の強さには2つあります。1つは撃ち合いや判断力など現場での勝負強さ。もう1つは経験ベースの生きた知識の保有量です。今回の記事は後者について十分カバーした内容にまとまっていると自負しております。クラン戦をもっと頑張りたいが情報が少ないと思う方には必読と言えるでしょう。

 

興味のある方は是非どうぞ。

 

 

おわりに

超艦艇がほぼ必須なシーズンだったせいかいつも以上に参加クランが少なかった印象です。他鯖の状況を見てみてもタイフーンリーグ以上がかなり少ない気がします。導入に多大なコストがかかるものを2隻も用意するのはしんどいので従来のようにレンタルがあると嬉しいなと思いました。

 

次回はTier8空母無し6vs6みたいです。こんなことはあまり言いたくありませんが、Tier10以外はTier10と比較して艦艇・艦種のバランスがまともに取れていないのでTier10以外はなんだかなあって感じです。とりあえずどうなるか注視しておこうと思います。[JC]ではあまり乗り気ではない感じなのでレート狙いというよりは鋼鉄稼ぎみたいな感じになるかもしれません。

というわけで傭兵のお誘いお待ちしておりますといったところで締めとさせて頂きます。