次のアップデートで追加されるドイツTier10特別駆逐艦Z-42について性能や使用感などを書いていきたいと思います。
ちなみに入手方法について、Z-42は鋼鉄27,000で交換できるようになるそうです。
性能紹介
抗堪性
HP19,700と砲駆としては少なく雷駆としては少し多いくらいです。ツリー艦のZ-52がHP20,300なので多少減りはしましたが誤差と言える程度でしょう。艦長スキル「抗堪専門家」を取得することでHP23,200まで上げることができます。
主砲の装甲版が15㎜のため、Z-52とは違いヴェネチアのSAPを跳弾できないのは注意が必要です。
主砲
既存のドイツ艦艇の例に漏れず、HEの貫通力が高めではあるものの高威力や火災発生率が低く、一方でAP弾の最大ダメージが高めに設定されています。
主砲塔が多い関係で全門斉射角は悪いです(45°程度)、斉射角を維持しての砲戦は被断が増えるためなるべく避けましょう。
弾道弾速についてはツリー艦のZ-52とほとんど変わらず癖はありません。特に扱いづらいということは無いと思います。
この主砲を扱う上で大事なポイントは2つです。
- 主砲旋回時間が遅い点
- AP弾の信管作動装甲厚が早い点
・主砲旋回時間が遅い点
ドイツ駆逐艦はTier9から主砲の旋回時間が改善され撃ち合いがしやすくなるのですがZ-42はそれに当てはまりません。感覚的にはTier7のMAASSで撃ち合いをするようなもので、全速を出して転舵をしながら撃ち合いをするような戦い方は厳しいです。
また、接敵時にも同じことが言えて、せっかく水中調音で捉えた敵艦艇がいても主砲が回っておらず、回し終えた時には敵が離脱していたなんてのもザラです。
つまりあっちこっちに撃つようなプレイングは難しいということです。後述しますが、この点は艦長スキルやアップグレードで補強すると改善されます。
・AP弾の信管作動装甲厚が早い点
イギリス軽巡洋艦のような優遇はありませんが、主砲口径が小さい分、信管作動装甲厚が小さいです。具体的な数値で言うと、Z-52が使うAP弾は21㎜に対してZ-42は18㎜となっています。
この数値が違うとどうなるんだというと、この数値が小さいほどAP弾を撃った時に全貫通が出にくくなります。
具体例として、下の画像にてZ-52とZ-42がそれぞれDelnyと島風の側面を射撃し撃沈した際の画像を載せました。
Z-52による撃沈である画像1および画像2では、Delnyに対して貫通弾が多く出ている一方で島風にはほとんど全貫通しか出ていないことが分かります。
対してZ-42はどうでしょうか。画像3のDelny相手ではZ-52とほとんど変わらない結果となっていますが、画像4での島風相手ではZ-52と違いほとんどが貫通弾となっていることが分かります。
この話がどういう意味を示しているかというと、Daringと同じで敵駆逐艦に対して側面を取った際はAP弾を使うのが非常に有効であるということです。
魚雷
ツリー艦艇よりも威力や装填時間などで少し劣るもののその差は小さく、大きく使い勝手が変わるものではないと思います。射角も特に問題ありません。
対空
Z-52よりも小口径の対空砲なため弱いです、戦闘機も何とか撃墜できるかといったところ。艦載機に対しては大人しく退散するか煙幕を使ってやり過ごしましょう。
機動性
数値上はHallandに近く、どちらかというと悪い部類です。水中調音があるため魚雷事故はかなり防げると思います。撃ち合いは斉射角の問題もあるため機動戦は積極的には臨めないでしょう。
隠蔽
最良値で水上発見6.2㎞航空発見2.8㎞となります。どちらかというと悪い部類ですが、ドイツ謹製水中調音のおかげで6㎞までは強制発見できるため隠蔽勝負にはさほど困らないです。
消耗品
既存のドイツ駆逐艦と同様にドイツ謹製の水中調音(艦艇強制発見距離6㎞・魚雷発見距離4㎞)を使用できます。
既存と異なる点は煙幕の種類です。煙幕が通常のものではなくショートバースト煙幕となっております。これによってより断続的な戦闘に臨めるようになる一方で、長時間の拠点防衛が難しくなっております。とはいえドイツ駆逐艦の煙幕は元々持続時間が短いため使い勝手は悪くなるどころかむしろ良くなったと言えそうです。
使用感
総評
水中調音を使った小技を駆使して前線を維持する万能駆逐艦です。
今の環境に合わせたZ-52と表現するのが一番正しいかと思います。対駆逐艦に寄せたZ-52と言えるかもしれません、強みが明確で戦いやすいです。
ドイツ駆逐艦と言えば煙幕と水中調音を合わせた”煙幕ソナー”によるハメ技が王道ですが、時代が進むに従ってレーダー艦が増え、艦載機が当たり前のように飛び回り、自身よりも砲力の高い艦艇が続々登場してしまったため、昔よりも影響力が下がってしまいました。
今回のZ-42はそれを上手く解消してくれたと感じております。具体的には3点です。
- 煙幕→ショートバースト煙幕への変更
- 主砲の小口径化に伴う対駆逐艦へのAP弾の有効性向上
- 主砲の門数増加によるDPS向上
・煙幕の変更
”煙幕ソナー”を前提として動く場合、基本的には煙幕と水中調音を同じタイミングで使うことになるのですが、そうなると煙幕の使用タイミングが難しいです。艦載機による攻撃や煙幕射撃の敢行など使いたい場面があっても”煙幕ソナー”を考えるとなかなか使いづらいと感じる方は多かったのではないでしょうか。
ショートバースト煙幕への変更によって煙幕の使用回数が増えたことで使用回数に余裕ができ、より柔軟な立ち回りが出来るようになったのではないかと思います。持続時間が短くなりますが、元々”煙幕ソナー”で一方的に撃てる時間は長くて数十秒なため支障もありません。
・対駆逐艦でのAP弾の有効性向上
”煙幕ソナー”でハメられる場合というのは基本的に姿勢は縦及び斜めからのスタートとなるためAP弾が通るタイミングは1回以上存在するのですが、既存のツリー艦艇は主砲の項で説明した通り全貫通が出ることが多く、ショボいHE弾と全貫通しか出ないAP弾でしょっぱいダメージしか出ない……みたいなことが頻発していました。
今回Z-42は主砲口径が小さくなったことでHE弾の貫通力が下がり大型艦へのHE投射が弱くはなりましたが、本業の対駆逐艦で明確にダメージが出しやすくなったと思います。
・主砲DPSの向上
先述のAPの有効性向上と状況が似ていますが、”煙幕ソナー”で撃てる時間はそこまで長くないため一撃ごとの火力が向上することによって”煙幕ソナー”の有効性が高くなりました。
自分がドイツ駆逐艦の戦い方が好みなのもあってZ-42への評価はかなり高いです。昨今は潜水艦なんて艦種も登場したことで水中調音の価値が上がったため、今後のランダム戦でも一定の存在感を出せるのではないかと思います。
単艦である程度完結した性能なためソロ適正も高く、分艦隊においても水中調音による強制発見やAP弾での煙幕射撃など連携での強みもあるため遊びの幅は広いように思います。
レーダーYueYangやSmalandなどレーダー駆逐艦に手を焼かされるのも昔から変わりませんが、そこはもうしょうがないです。
(参考)艦長スキルとアップグレード