びーびーの記録

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【WoWS】艦長スキル「大規模対空砲火」の考察と必要性について

空母刷新から1年以上が経ちました。刷新によって変更・追加されたスキルに「大規模対空砲火」があります。

このスキルは、セクター指定の際の即時ダメージを倍化する代わりに継続ダメージ
強化を0%にするという効果であります。

自分の周りでは「4ポイントにふさわしくないスキル」「取得しない方が強い」等と
言われていたスキルでした。自分自身、使ったことはあるのですがあまり理解しておりませんでした。

今回はこのスキルについての分かりやすい解説と、取得する必要があるのかどう
か、また、どの艦艇・艦種におすすめなのかをまとめたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

スキル「大規模対空砲火」の分かりやすい解説

 

効果自体はシンプルであり、即時ダメージを倍化する代わりにセクターの強化を0%かつクールタイムを1.5倍にするというものです。


ではまず、即時ダメージの有効性が実際に高いのかどうか、ということについて書いていきます。

 

 

即時ダメージ倍化について

 

ここでは数値の計算上分かりやすいため、駆逐艦を例にとって考えることにします。

駆逐艦の即時ダメージは通常1中隊に対して5のダメージが与えられます。このダ
メージは1機に集中して与えられます1中隊全ての機体に均等ではないです)。


さて、1機当たりのヘルスを10と仮定し、Tier10米空母Midwayの場合で考えてみま
しょう。

攻撃機が1中隊9機編成であるため、攻撃機の総ヘルスは90になります。
つまり、与えられるダメージは、90×0.05=4.5ダメージ入ることになります。

これは1中隊の中で1機だけHPバーがオレンジになる程度です。正直微妙ですね。


では、スキル「大規模対空砲火」を取得した場合です。
計算は簡単で、単純に2するだけですので、90×0.05×2=9ダメージ入る計算にな
ります。

これは1中隊の中で1機だけHPバーが赤になります。


条件を変えます。Midwayの爆撃機で考えてみます。

爆撃機は1中隊12機編成であるため、爆撃機の総ヘルスは120になります。
つまり、与えられるダメージは、スキルなしだと120×0.05=6ダメージ
スキルありだと120×0.05×2=12ダメージとなります。

 

この場合、スキル込みで確定で1機落とすことが可能です。

 


これらの結果から分かることは以下の通りです。


・中隊あたりの機数が多ければ多いほど航空機に与えるダメージは大きくなる
・中隊あたりの機数が少ないほど航空機に与えるダメージは小さくなる。
・即時ダメージ2倍は、目に見えてダメージ量が変化する(落ちるとは言っていない)。


簡潔にまとめると、

スキルを取得したところで艦載機をボロボロ落とすことは出来ないということです。

特に中隊の機数が少ないSaipanのような空母や、空撃ち等で機数を減らして飛ばしてくる空母には有効性が低いスキルと言えます。

 

 

 セクター強化0%かつクールタイム1.5倍について

 

次に、デメリットの面を見ていきます。ここでまず考えることは、即時ダメージと強化された継続ダメージ、どちらがより大きいかということかと思います。

 

白龍の爆撃機を例に挙げてみましょう。

白龍の爆撃機は1中隊12機編成であり、諸々の強化込みで1機あたり2,357です。

 

デモインで考えた場合、スキル使用時の即時ダメージの上昇値は3.5%であるため、2,357×12×0.035=約990ダメージ

 

対して、セクターを入れ続けた場合、10秒間の強化の後、最大で50%の強化になります。対空無振りデモインにおける中距離までの秒間平均ダメージは約470(522×命中率90%)と仮定すると、強化後の中央値は大体600くらいかと思いますので、990÷(600-470)=約8秒以上入れ続ける場合、セクターの方が有利と言えると思います。

 

スキル案外強いなって思った方は先の文章を読み直して頂けると良いと思いますが、スキルは理論上最大ダメージとなっています。逆にデモイン側はアップグレードや基本射撃、対空防御放火の使用などでいくらでも数値を底上げできます。

 

しかし、セクター強化派に問いかけたいこととして、本当にセクター強化側に入れ続けることは出来るのかということです。

 

自分の経験で恐縮ですが、ウースターでセクター強化側に欲張って入れようとした結果

VPヒットで8割持っていかれたことがあります。極端な例ではありますが、状況によってセクター強化側を維持することが困難な場合も多くあるのではと思います。

 

もう1つ気になることがあります。先の例では中距離までのダメージで出した数値にて計算しましたが、本当に中距離圏内に入れ続けることは出来るのでしょうか。

 

 

何となくこのスキルのキモが見えてきたのではないでしょうか。

 

 

このスキルのキモ

 

ここまで、即時ダメージ倍化のダメージ感覚やセクター強化のダメージとの比較を見てきました。ここまで読んで、このスキルについてどのような感想を抱いたでしょうか。

 

自分の感想を述べさせて頂きますと、個艦防空スキルではなく艦隊防空スキルであるということです。

 

おそらく単艦での防空では、対空兵装の充実度にもよりますがセクター強化の恩恵の方が大きい場合が多いでしょう。低Tierの対空母スキルないし高Tierの弱対空艦の対空母スキルと言ってもいいかもしれません。

 

しかし、艦隊防空スキルと考えればかなり有用なのではないでしょうか。例えばなかなか中距離対空まで寄ってくることのないウースターやマイノーターといった高対空艦に掠るたび、無視できない即時ダメージが入ってきたらどうでしょうか。そう考えると使いようはあるスキルなのではないかと個人的には思います。

 

 

 

 

 

スキルを取ることを推奨できる艦種・艦艇

 

個人的には駆逐艦1択です。

 

巡洋艦や戦艦は倍化したところで7%。先のデモインの例で考えても、1中隊12機で1機も落とせない割合ダメージは如何なものかと思います。

 

駆逐艦でしたら倍化することで10%となり、1中隊10機以上で確定1機撃墜、悪くても5割以上入れられるところに魅力を感じます。

 

しかし自身の隠蔽を割ってしまう点次の攻撃で攻撃機が飛んでくるリスクを考えると並の駆逐艦では使うことが出来ません。

 

それを踏まえてのおすすめ艦艇ということをご了承ください。

 

フリースラント・エステルイェートランド・ハランド

 

言わずと知れた高対空艦。

これらの艦艇ならば次に攻撃機が飛んできても自力で撃墜が可能です。

 

攻撃機に対しては防御放火を使うことで確実にシャットアウトし、雷爆に関しては即時ダメージという通行料を貰ういやらしい立ち回りが可能です。

 

弱点は対駆逐艦に弱いこと。下手すると日駆に撃ち負けるので接敵には最善の注意を払うと共に、空母の支援をしっかりもらうなど連携をしっかりとりましょう。

 

 

パンアジア駆逐艦全般

 

そこそこの対空射程を持ち合わせており、かつ、回数の多い煙幕を持ち合わせております。

 

攻撃機は回数の多い煙幕でいなしつつ、雷爆に対して即時ダメージで通行料を貰う立ち回りが可能です。

 

弱点はヨーロッパと同じく対駆逐にて魚雷が当たらないことによる相対的な弱さ。特に高Tierはナーフによって当たりが弱くなってしまいました。

 

煙幕を使った際のレーダーにも要注意です。初歩ですが、艦載機に気を取られ忘れがちです(n敗)。

 

 

ライトニング・ユトランド・デアリング

 

個人的に最も向いていると思われる艦艇。

 

パンアジア駆逐艦と同じく、高回転の煙幕両用砲で稼いだ対空射程で通行料を貰っていきます。

 

対駆逐艦も強く、ソナーによる魚雷事故防止も非常に魅力的です。

 

問題は取得スキルにゆとりがないことです。大規模対空砲火を取得するためには、おそらく無線方向探知か基本射撃を諦めてしまうことになってしまうため、相対的に対駆逐戦の優位性が下がってしまうのが難点です。

 

何度も書きますが、煙幕を使った際のレーダーに要注意です。初歩ですが(ry

 

 

おわりに

 

勝手にオワコンスキルと決めつけていましたが、戦略的に取得することも可能なスキルなのかもしれないと思いました。

 

しかし、やはり中隊機数によってダメージが大きくぶれるところがネックであり、なかなか取得には至ることのないスキルかなと思います。

 

 

 

※記事内の数字が間違っていましたらコメントで教えてもらえると助かります。